Atmoph Windowで親しむ芸術 ーゴッホの《ひまわり》ー

Atmoph Window Yo と Atmoph Window 2 に追加された新しいアプリ「Art Gallery」。歴代の名画を窓に映し出して、細部までじっくりとご鑑賞いただける機能です。

対象製品をお持ちの方はだれでも、無料で3つの作品をご覧いただけるので、まだの方はぜひ一度試してみてくださいね。

Art Galleryで見られる無料の3点は、ゴッホの《ひまわり》、モネの《積みわら》、そしてフェルメールの《手紙を書く婦人と召使》。美術に興味のある方はもちろん、美術にあまり詳しくない方でも一度は見たことがあるような作品ばかりです。今回はそのうちのひとつ、フィンセント・ファン・ゴッホの《ひまわり》について、プチ解説をお届けします!芸術の秋を楽しむ一助になればうれしいです。


ゴッホがひまわりを描いた絵画は、時期によって構図が異なるものがいくつかありますが、ここで取り上げるのは、花瓶に生けたひまわりの絵画。ゴッホの作品の中で最も有名なもののひとつです。実は、花瓶バージョンの《ひまわり》は全部で7枚あります(うち1枚は現存せず)。この作品群はどのように生み出されたのでしょうか。

連作《ひまわり》、最初の4点

1888年2月、ゴッホはパリから南仏のアルルに引っ越します。明るい陽気に包まれ、田園風景が広がるこの地で、彼は精力的に絵を描き始めました。

ゴッホはここに多くの画家が集まり、お互いに助け合いながら切磋琢磨する共同生活を夢見ていました。そんな彼のもとに、尊敬する画家、ポール・ゴーギャンがやって来ることになります。

パリ時代、レストランの窓辺に飾られたひまわりに感銘を受けたゴッホ。アルルに来るゴーギャンのために、部屋を新たなひまわりの絵で装飾しようと考えたようです。そして8月、花瓶に生けられたひまわりの絵画4点を制作しました。制作順と現在の所在地は、以下の通りです。

ゴッホ《ひまわり》1番目のバージョン
1:個人蔵(アメリカ)
ゴッホ《ひまわり》2番目のバージョン
2:芦屋の実業家宅にあったが、第二次世界大戦の空襲で焼失
ゴッホ《ひまわり》3番目のバージョン
3:ノイエ・ピナコテーク(ドイツ、ミュンヘン)
ゴッホ《ひまわり》4番目のバージョン
4:ナショナル・ギャラリー(イギリス、ロンドン)

ゴッホは連作の3枚目を描いている最中に弟のテオに書いた手紙の中で、これから描く4枚目が明るい色調の最高傑作になるだろうと予想していました。そしてそのとおり、黄色い背景に15本のひまわりが描かれた《ひまわり》4番目のバージョンは、ゴッホが残した数ある名画の中でも、多くの人が代表作としてイメージする珠玉の作品となりました。

Art Galleryの無料版では、この4番目の《ひまわり》をご覧いただけます。窓に映し出して、バラエティに富んだ黄色の色合いや、満開から枯れゆくものまでさまざまな状態の花など、心ゆくまでご鑑賞ください。

テオへの手紙によると、ゴッホは「ブイヤベースを食べるマルセイユっ子のように」熱心にひまわりの絵を描き、部屋の中を「12枚のキャンバスからなる、青と黄色の交響曲に」したかったのだそう。この壮大な構想が実現されずに4枚で中断されたのは、ひまわりの花の季節が終わってしまったためだとされています。

連作《ひまわり》、後の3点

10月、ゴーギャンとの共同生活が始まります。彼はゴッホが描いた《ひまわり》をとても気に入り、ゴッホがこの絵に取り組んでいた時の様子を想像して描いた絵画も残しています。

ポール・ゴーギャン《ひまわりを描くゴッホ》
ポール・ゴーギャン《ひまわりを描くゴッホ》

共にキャンバスに向かう日々を過ごし始めたゴッホとゴーギャンですが、絵に対する意見が合わないふたりの間で衝突が絶えることはありませんでした。そして12月23日、ゴッホが自分の左耳を切り落とすという衝撃的な事件を起こし、夢の共同生活はたった2ヶ月で終わりを迎えます。

ゴーギャンは退去した自分の部屋に飾られていた《ひまわり》の絵がほしいとゴッホに申し出ましたが、ゴッホはこれを断ります。一方、この時期ゴッホはゴーギャンに賞賛されたひまわりの絵の複製を制作していました。自身も気に入っていた絵をさらに究めたい気持ちや、もし譲ることになっても、自分の手元にも残したいという気持ちがあったのかもしれません。

こうして自らの手で複製されたのが、以下の3点(制作順には諸説あり)。オリジナルと比べて色合いや筆致などさまざまな違いがあり、ゴッホの絵に対する探究心がよく表れています。

ゴッホ《ひまわり》5番目のバージョン
5(3の複製):フィラデルフィア美術館(アメリカ、フィラデルフィア)
ゴッホ《ひまわり》6番目のバージョン
6(4の複製):ファン・ゴッホ美術館(オランダ、アムステルダム)

7番目の《ひまわり》については真贋について論議があり、ゴーギャンによるものではとの声もありましたが、現在はゴッホ本人が同時期に制作した複製画であるとの結論が出ています。

ゴッホ《ひまわり》7番目のバージョン
7(4の複製):SOMPO美術館(日本、東京)

ゴッホがこの世に残した、7点の《ひまわり》。現在ではこのうち5点が鑑賞可能ですが、世界中に散らばっていて、すべてを見て回るのはなかなか大変そう。まずは東京の1点を目指したいな、などと考えています。

ゴッホはアルルで暮らした時期に、《ひまわり》以外にも数々の名作を生み出しました。Art Galleryでは、《夜のカフェテラス》、《ファン・ゴッホの寝室》などアルル時代の逸品が含まれたコレクション「ゴッホ Vol. 1」もリリースしているので、気になる方はぜひ一度アプリをのぞいてみてくださいね。それでは、Atmoph Windowをお供に、よい芸術の秋のひとときを!

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